2013年2月16日に、中村竜治さんの事務所で展覧会の打合せをして来ました。
中村さんは、過去に3Dプリンターを使って「虫かご」という作品を発表しています。
「虫かご」は、0.3mm角の非常に繊細な部材でできたグリッドで構成された立体で、極限まで高められた繊細さが、そこに存在するのに、とても非現実的な存在感を持つ作品。デジタルファブリケーションの技術によって初めて可能になった質感を獲得しています。
逆に、「トウモロコシ畑」という作品では、膨大な数の細い棒材を人の手によって立体トラスに組み上げることで、際限なく反復する繊細な部材が折り重なって狂気的な存在感をもつインスタレーションを発表しています。
「実際に組み立ててみると、接着剤の厚みや部材の微妙なたわみによって、CADで書いた図面から少しずつずれてくる。その、シミュレーションとリアルな材料の物性との間のズレに興味がある」という中村さん。今回の展示作品も楽しみです。