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DSC08292.jpg会場構成・什器設計 // 西澤徹夫


 

[essay: 情報と物質とそのあいだ]

 

中国語、英語、ベトナム語、韓国語(すべてデタラメ)を話す4人が麻雀をしているというタモリの4カ国親善麻雀というネタがあります。これの面白いところは、デタラメだと分かっているのにそれらしく聞こえる、というところにありますが、それはつまりその言語話者ではない人にとっては、内容が正しいか正しくないかということが判断できない領域があることを示しています。わたしたちにはそれぞれの文化的・生物学的に知覚のスケールというものがあって、そのスケールを超えてしまうところでは、既存の形式や制度が無効になってしまうことがあります。たとえば高解像度で高密度の情報技術は、もう十分にわたしたちの知覚にとっては「どちらでもいい」状態を作りだしていますが、それゆえに、わたしたちが持っているスケールとの調整= デザインが必要になる場面が増えてくると思います。

 



[略歴] (2013/06)

1974年京都府生まれ。東京藝術大学大学院修了。2000-06年、青木淳建築計画事務所にて、ルイ・ヴィトン銀座店、青森県立美術館の基本・実施設計・監理を担当。2007年、西澤徹夫建築事務所開設。現在、東京藝術大学教育研究助手も務める。近年は「建築がうまれるとき:ペーター・メルクリと青木淳」展(2008年、東京国立近代美術館)、「馬場のぼる」展(2009年、青森県立美術館)、「パウル・クレー|おわらないアトリエ」展(2011年、東京国立近代美術館)、「今和次郎―採集講義」展(2011年、青森県立美術館)、「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」展(2011-12年、東京国立近代美術館)など展覧会の会場構成を数多く担当するとともに、「チェーホフさん、こんにちは」(2008年、青森県立美術館)、「津軽」(2009年、2010年、2011年、金木芦野公園駅ほか)など舞台美術の仕事も手がける。

本展では会場構成監修を手がける。

http://tezzo.net/ 


[主な作品]

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建築がうまれるとき展©阿野太一(左)、©木奥恵三(右)

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パウル・クレー展©木奥恵三(左)

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東京国立近代美術館所蔵品リニューアル©富井雄太郎