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Proxy Design Studio

『NYC Neural Cartography Project』 – 脳波解析から見た建築-

制作:Proxy Design Studio

2010、ニューヨーク、リンカーン・センター・キャンパス、ハースト・プラザ。建築とその現実の環境が我々の頭の中でどのようにに認識されているのか?オープン・ソースのソフトを使用し我々が町中で収録したデータを建築に投影したものである。スマートフォン、脳波記録デバイス、そして3次元模型を使用し同時測定された脳波、ロケーション、方角の情報を3次元マップに実現した。


『Eye Tracking + Architecture』 – 無意識の視線解析から見た建築-

メディア作品:Computing Kaizen Studio Toys
コロンビア大学大学院建築学科 Advance Studio VI

クラウド・ラボではEyeWriter DIY のシステムを応用して目から入ってくる情報と空間から受ける印象とのの関係性を数値化し探求している。Processing でモデルと視線解析のインターラクションをビジュアリゼーションすることによって空間という情報がどのように探られているのか、そしてプロセスされているのかを研究目的としている。

進化する建築構造の可能性の研究。自己組織化するシステム・ブロックを制作し、新たな構造体の発見に使用している


 

[essay: 情報と物質とそのあいだ]

 

現在、情報技術によって、私たちの周囲にある触れられる世界と、情報や概念による非物質的な世界との間に新しい連続性が生まれつつある。CNC ファブリケーション、特に3D プリンタの登場は、データに実体を与えることを可能にした。最先端のセンサー技術は、私たちの身体を取り巻く物質世界から情報を抽出することを可能にした。デジタルとリアルの間の、この不確かな境界領域こそが、私たちが最も重要と考えている部分である。私たちは、両者を同じレベルで考えながら設計活動を行うことで、人間の体験を再構築/促進/増幅する可能性があると考えている。

技術の加速的発展は、この領域において核となる要素である。IT 技術が開発された初期の段階から、デジタルとリアルが完全にオーバーラップするだろうという予測はされていた。チューリングは人間のように思考する機械に関する仮設を立てたし、スタートレックに登場する「テレポーター」は、簡単なタッチスクリーン操作によって、人間を非物質化(de-materialize)→再物質化(re-materialize) して転送することができた。そして今私たちを取り巻く世界は、SF の中で考えられていた技術を実現するばかりか、それ以上のことを可能にしていくだろう。

Proxy は、人間の身体的領域と、その周りにある情報システム領域とを繋ぎ、さらにその繋がりを増大させるべく活動している。その過程において、建築はただの物体ではなく、情報モデルと素材、空間、活動体、反応体といったものの間にあるインテリジェントな存在として現れてくる。この常に加速度的に変化し続けている世界において、私たちの設計理念はSearch(探す)することに基づいている。Search は、可能性の海の中から説得力のあるアウトプットを実現するためのオープンエンドなプロセスであり、私たちはコンピューターを用いることでこのSearch の結果を増やすだけではなく、人々と情報技術との間を分かち難く補完するような役割を見つけようとしている。人間における視覚や知覚といった部分は、コンピューターによって拡張され、
増幅されている。過程と結果の両面において、機械を活用する上で常に最も根本的で根源的なものは、人間の想像力である。

 



[ 略歴] (2013/06)

Proxyは長谷川徹とマーク・コリンズが代表を務めるの代表を務める、建築からソフトウェアの開発までといった幅広い創作活動を行う、ニューヨークを拠点とするデザイン・グループである。主な特徴として、建築とソフトウェアを同時に製作しながらデザインすることによって、両者が持つさらなる可能性を具現化するための的確なツールと柔軟性の高いシステムにより、ハイ・パーフォーマンスな、環境と共存できる新しいものづくりを実現しようとしている。彼らは、コロンビア大学、南カルフォルニア建築大学、ワシントン大学(セイント・ルイス)、法政大学など数多くの大学にて教鞭を執る。

http://www.proxyarch.com/


[主な作品]

 

Eye Tracking Architecture